※2011年7月より新しいピルも使用します(商品名ノルレボ錠:レボノルゲストレル)。
- Q1.「アフターピル(緊急避妊薬)」とは・・・
- Q2.薬の飲み方は・・・
- Q3.どのくらいの効果が・・・
- Q4.作用機序(仕組みは)・・・
- Q5.副作用は・・・
- Q6.妊娠回避できたか否かの判断は・・・

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「アフターピル(緊急避妊薬)」とは・・・
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妊娠する行為があってから、緊急避妊のために使用するピル(女性ホルモン剤)です。基本的に避妊は低容量ピルが一般的ですが、やむを得ず避妊に失敗した時のみ使用する最終手段となります。
本邦ではヤツペ法と呼ばれるプラノバールを使用した緊急避妊が行われておりました。この方法の欠点としては、個人差もありますが、副作用として吐き気・嘔吐が非常に強いという点です。
2011年5月よりノルレボ錠(0.75/錠)を使用する方法が適応になりました(保険の適応はありません)。このメリットは副作用であった悪心(吐き気など)・嘔吐が非常に少なくなったことと、避妊の効果が良くなったことです。
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薬の飲み方は・・・
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■ ノルレボの使用方法
心配な行為(妊娠の可能性のある行為)から72時間以内にノルレボ1錠(1.5mg)を内服してもらいます。(念のため、吐き気止めも別に処方します。吐き気が出現した時は使用してください。)
■ プラノバールでの使用方法
72時間以内にプラノバール2錠(+吐き気止め)内服して、その12時間後に同じ量をもう一回内服します。(吐き気の副作用が50%くらいの方に出現しますので、予め吐き気止めを内服していただきます。
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どのくらいの効果が・・・
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海外などの文献によると、妊娠可能な女性が、有効な避妊方法を何も取らなかった場合、月経周期第2~3週であれば、一回の性行為で妊娠する可能性は8~15%ほどと考えられております。
ノルレボの使用により平均妊娠率(月経周期日を考慮せず、使用した人で妊娠された人の割合)は1.1~2.3%となります。妊娠しない可能性は98%以上(妊娠阻止率は81~84%)となります。(従来のプラノバールの平均妊娠率は2.5~3.1%)。ノルレボのほうが良い統計が多いです。
リスク行為から24時間以内に内服されると効果が良いとされており、可能な限り早期の内服をお勧めします。12時間以内に内服をした人は、60~72時間以内に内服された人に比べ8倍も妊娠しにくいとの報告もあります。
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作用機序(仕組みは)・・・
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アフターピル(緊急避妊薬)を飲むことで
(1)排卵を遅らせます。
(2)子宮内膜への着床をしにくくさせます。
排卵前に内服された時は(1)の効果により妊娠を防ぎます。
排卵後であれば(2)の効果により防ぐとされています。
その他、精子の侵入阻害・受精阻害・卵の輸送阻害などによる効果も考えられております。
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副作用は・・・
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以前の緊急避妊薬(プラノバール)では悪心49%、嘔吐15%ほどありましたが、WHOによると、今回のノルレボ錠は悪心23%嘔吐6%と報告されております。
国内の統計では、さらに低く、ノルレボ:悪心9.2%、嘔吐0%前後との報告です。
吐き気の副作用は少なくなりましたが、当院では吐き気止めも一緒に処方しますので、万一、症状が出現した時は追加で内服していただきます。
その他の副作用としては、全身倦怠感(7.7%)・頭痛(12.3%)・月経出血量の増加や減少・下腹部痛などがあります。
一般にこれらの副作用は、数時間から半日程度で症状は改善します。24時間以上続くことは稀です。